出した見積の2週間を、誰も見ていない
更新日: 2026-09-20 / 著者: 萬代 晃生
見積は「出した日」で終わり、誰のタスクでもなくなる
見積を作って送るまでは、担当者の仕事です。送った瞬間、ボールは先方に移ります。ここで担当者の頭の中では案件が「待ち」になり、次の作業に移ります。
問題は、「待ち」には期限が無いことです。返事が来れば動きますが、来なければ何も起きません。先方が忙しくて後回しにしていても、他社と比較していても、こちらからは同じ「返事がない」に見えます。そして 2 週間後、気づいたときには他社に決まっている。
見積の放置は、担当者の怠慢ではありません。送った見積が誰のタスクでもなくなる 構造の問題です。
何営業日で追うべきか
「返事がない=断られた」ではありません。先方の社内で稟議が回っていることも、担当者が休んでいることも、単に忘れられていることもあります。追わなければ、どれなのか分かりません。
目安は次のとおりです。
- 送付から 3 営業日: 届いているかの確認。「ご不明点があればお知らせください」で足ります
- 送付から 5〜7 営業日: 検討状況の確認。ここで「他社と比較中」「予算の都合で来期」などの本当の状況が分かります
- 有効期限の 3 日前: 期限が近いことの連絡。期限を過ぎた見積は、金額の根拠が古くなります
大事なのは日数そのものより、日数を決めておくこと です。決めていないと、「そろそろ聞いてみようか」が「今さら聞きにくい」に変わります。
角が立たない追い方は、早いほど簡単になる
送付から 3 営業日の 1 回目は、内容が軽くて済みます。
先日お送りした見積の件、内容にご不明な点はございませんでしたでしょうか。修正や追加のご要望があれば、遠慮なくお知らせください。
これが 2 週間後になると、「その後いかがでしょうか」しか言えなくなります。先方も「まだ見ていない」とは言いにくく、返事が来なくなります。
追うのが遅れるほど、文面は難しくなり、送る側の腰は重くなります。早く 1 回追う方が、お互いに楽です。
案件管理ツールを入れても追えない理由
「見積を出したら、フォローの日をカレンダーに入れる」「案件管理ツールに次のアクションを登録する」。どちらも正しい方法で、やれば効きます。
続かないのは、見積を送った直後がいちばん忙しいからです。見積を作る作業で時間を使い、送った安堵で気が抜け、次の案件の連絡が来ている。ここでツールを開いて「7 日後にフォロー」と入れる人は、そもそも放置しません。
放置を止める仕組みは、送った日付だけを記録して、あとは何もしなくてよい 形である必要があります。フォローの日を人が決めるのではなく、送付日から数営業日たったら向こうから知らせてくる。それなら、忙しい週でも止まりません。
送付から10営業日で、朝の1通に上がってくる(実物)
BizRelay では、見積を送付した記録があると、返答がないまま数営業日たった朝から、こういう行が届きます。
🟠 見積提出後の放置 河西工業 / 検査ライン改修(佐藤) 送付から 14 営業日、返答なし(8,000,000 円)
先方から返信のメールが届くか、こちらが「先方の返事待ち」に切り替えるか、見積が受注か失注になると、この行は翌朝に消えます。
見積を追うタイミングを毎回考えるのをやめると、追う回数は増え、1 回あたりの気まずさは減ります。放置される見積が減るのは、その結果です。
実物の1通(付録Aのサンプル)
サンプル株式会社 9/22(月)の朝礼
今日
- 10:00–11:00 打ち合わせ(河西工業)
- 納期: 山田製作所 / 設備更新の相談
- 支払期限: 河西工業 / INV-0042(640,000円)
止まっているもの
- 検収済み・未請求中央エンジニアリング / 第2期 保守作業・田中
検収から6営業日、請求書が未作成(1,200,000円) - 見積提出後の放置河西工業 / 検査ライン改修・佐藤
送付から14営業日、返答なし(8,000,000円) - 問い合わせ未返信山田製作所 / 設備更新の相談・鈴木
問い合わせから72営業時間、未返信
昨日の動き
- 受信7件(山田製作所、河西工業、ほか3社)
- 受注1件(第3期 保守契約)
- 入金2件 860,000円
この内容が、毎朝1通のメールになって届きます。
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